修理の実際


Q.プラグらしきものは見えたんですが、その周りにくっついているものが?です・・。

A.まず、各プラグの側に、ついてるコード(カプラーがついている)→カプラーは灰
  色ですよね?
  これはインジェクター(燃料噴射装置)ですね。バイクだと、ホンダのPGM−F1
  のようなものです。よくカー雑誌などで「燃料増量」と書いてありますが、あれは
  追加インジェクターを打たない限り容量アップさせたものに取り替えているのです。
  EL仲間によれば、GPターボはノーマルのままで燃料コントローラを付ければかな
  り行けるそうです。
  つまり、GPのエンジンはアタリということです。まあ、これは知識として知ってお
  くくらいがいいでしょう。エンジン爆発だけは避けたいですから・・。

Q.プラグの上(シリンダーからでてる頭の部分)にかぶさって?いる筒のような(鉄
  パイプ?)モノです。これは何でしょう。

A.これが「エアチューブNo1」です。

  これを通ってターボチャージャーで圧縮された
  空気がインタークーラーに送られ、インタークーラーで冷やされた空気がスロットル
  ボディに送られるのです。このスロットルボディはバイクでいえばキャブレターの働
  きをします。キャブの場合、燃料の吹き方はジェットで調整しますが、EFIのついて
  いるGPでは燃料の霧化はインジェクターの仕事です。(現行のクルマはほとんどこの
  タイプです。)それをEFIコンピュータで制御しているのです。構造上、このパイプ
  を外さないと1番プラグがとれないようになってます。ちなみにプラグは手前の、割に
  太いコード(これが高圧コード)の下にあります。

Q.「デスビ」とは一体何でしょうか?
A.「デスビ」は正式にはディストリビュータといってエンジンの各気筒の爆発順に高圧
  電流を流す制御をしている部品です。エンジンのカムシャフトに直結していて、常に
  電流を制御しているものです。昔はキャブ部分の負圧を使って進角していましたが、
  GPではそれもEFIで制御しています。緑色のコネクタがついているのは、そのた
  めです。オイルキャップの右側に見えるでしょう。その丸い筒のような部品から例の
  太いコードが伸びているはずです。
  ちなみに、ここのOリングは10Km超のクルマは要交換になると思います。

Q.でも、プラグはメーカールートでないと無いなんて。部品共販で買えますよね??
A.もちろんです。あれだけは特殊だからですね。しかし、苦労したぶん、モノはしっか
  りしています。

Q.HPでもオルタネータの事、書いてありましたが、11万キロでは、交換しといた
  ほうが、いいんですよね?
A.オルタは基本的にはブラシ交換だけでOKです。おろしてブラシ取り替えるだけ。で
  も、他の部分もへたっている場合が多いので、実際にはリビルド品(再生部品)に交
  換がおすすめです。出来れば寒冷地仕様のオルタがいいですね。GPは最小限の発電量
  しかありませんから、電装品を付けるとすぐ発電不足になり、ライトまで暗くなります。
  これだけは解体部品のまま載せ換えは×です。(私が失敗した。)すぐ駄目になります。
  ちなみにはんだごて使わなくてもブラシホルダーごと買えば、本当に簡単に交換できます。
  その方が確実。部品番号は私のHPの修理歴に載せています。

Q.不調の前兆は「こういう症状がでたら」というカンジでしょうか?
A.そうですねえ・・。それを突き詰めていくと年中修理に追われますね。基本的に水温
  計が赤までいったとか、オイルランプ点灯とか、エンジンチェックランプ点滅とかが
  なければ基本的にはOKです。
  もちろん、オイルと冷却水の確認は欠かせませんが。それと、下周りをのぞいてみて
  変なオイルや水のにじみがないか見ておくと安心です。原因がどうしてもわからなけ
  ればディーラーに持ち込んでみてもらうといいでしょう。見るだけはタダですから。
  (ただし、なじみのないディーラーだと点検料1000円くらい取られます。)
  13万キロ超えた位でデフからオイルが漏れると思います。(自分も交換した。)部品
  は270円なのに工賃は12000円。しょうがないですね。大変な作業ですから。

Q.修理書見ながら、とりあえず、プラグを交換してみました。元々付いていたプラグを
  みてみると、1番プラグがかぶりぎみだったんですが、他の2〜4番のプラグが真っ
  白でした。これは、プラグの焼け方とかもバランスとかあるんでしょうか、、?

A.まあ、あるとえいえばありますが・・。1番のかぶり気味は気になりますが、白く
  なっているのはEFIの特徴で異常はありません。

Q.燃料フィルターが詰まってガソリンが来なくて、燃料不足?なのでしょうか?
A.フィルターも怪しいですが、燃料は来てますかねえ。例の燃料噴射ポンプ(プラグの
  反対側についている灰色のコネクターですね)のついているパイプみたいなものの
  横にかなりがっちりついている黒いゴムホースがありますね。人にエンジンをかけて
  もらってそれをつまんで膨らみを感じなければ、ガソリンが来ていません。燃料ポン
  プを交換しましょう。出来れば燃料系はディーラーなどに頼んだ方が安心です。燃えあ
  がったらしゃれになりませんからね。

Q. オルタネータの脱着方法を教えて下さい。
A.外し方は丸いコネクタを抜いて、カバーを外して+B端子を外す(かなり太いケーブ
  ルなのですぐわかる)、その後オルタを固定しているボルトを2個ゆるめるだけです。
  固着してますが、揺すったらとれます。
  ベルトを付けるときの注意点としてはミゾを合わせるということです。適当に仮組み
  してベルトを載せたらベルトを手で回してみてスルスルと動けば問題なし。もし、引っ
  かかりがあれば溝をベルトが乗り越えてるので何回か回してきっちりのせる事です。

Q.エンジンコンピューターのエラーログはどうやって調べますか。
A.ダイアグノーシスコネクタのTとE1の部分をショートしたままキーをonの位
  置のままにしてエンジンマークが何回点滅するか調べてみましょう。
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コネクタは助手席側のエンジンルーム内、ワイパーモータ右横に黒い箱があり、
これを開けると下のようなものが出てきます。

  □□ □ □□□
  □□   □T□
  □□ □ E1□□

  上の図を見て下さい。適当なコードを10cmくらいに切って両端を皮むきしてお
  きます。それをT端子と
  E1端子につないで短絡します。この状態でエンジンをかけます。
  ちなみにこれはエンジンチェックも兼ねているのでメーターパネル内のエンジン
  マークの点滅を確認しておくと後々の参考になります。一定間隔で点滅してい
  ればエラーは無しです。もし不規則でしたら、その不規則な点滅の回数を記録
  しておきます。修理書のエラーコードでだいたいどこを直せばいいかわかります。
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  ずーっと点滅間隔が同じなら異常なし、点滅間隔が違うなら異常です。点滅が長
  く止まったあとの短い点滅が何回あるか調べればOKです。点滅の回数は異常コ
  ードの場合、はじめ短くあと長くのはずです。(逆のこともある。)また、異常箇所
  が複数あればエラーコードも複数出ます。それを読みとって(はじめ何回あと何回)
  修理書で調べます。手に負えない時はディーラーに修理に出しましょう。

Q.アイドリングが安定しません。
A.いろいろ原因がありますが、他が異常がなければアイドリング不調の特効薬になる部品
  はエンジンのタイミングベルト側(エアコンのコンプレッサーのある方)に3個リレ
  ーのようなもの(実はすべて電子制御エアバルブ=VSV)のうち、一番右の部品です。
  エアホースが3本、うち1本は後ろから出ているはずです。それと、電子制御用のコネ
  クターが1個。

   
  この部品は純正番号90910-12030で注文できます。税込み3455円くらいだと思います。
  これを交換すると、エンストがなくなり、アイドリングが「えっ」てくらい安定します。

Q.窓レバー(回すやつ)が取れずにいます。どーやって取るんですか。内張りとりたいもんで。
A.まわすやつは正式には「ウィンドウレギュレーターハンドル」と言います。
  これをとるには精密ドライバー(トヨタでは薄刃ドライバーというらしい)を使います。
  レギュレーターを折らないように少し手前に引くと中にオーム型の金具が見えます。この
  クリップを押してとるのですが、反対側を布みたいなもので覆って置かないとクリップが
  吹っ飛んでいくので注意して下さい。


  はめるときはレギュレータのハンドルのツマミ側にむけてクリップの開いているところを
  押し込み、その状態でドアに「バン」って付ければ完成。
  あ、そうです、クリップを差し込む前にレギュレータをつっこんで位置を確認することを
  忘れないように。差込角度は窓全閉で頂点から左に30°オフセットしたところです。(修
  理書にある。)それと、ドアとレギュレータの間にある半透明のプラスチックのようなもの
  を挟むことを忘れないように。これ挟まないとまともに窓開けられません。ちなみに、GP
  の窓は経年変化で次第に開閉が渋くなります。


  レギュレータハンドルが取れたら、まずはめ込みものをとらないといけません。1番はイン
  ナー(内側)の窓とドアをふさいでいるモールです。これをとるにはクリップツールという
  のがいります。カー用品店においてあるプラスチック製のもので十分です。真ん中がV字に
  カットしてあるのですぐわかると思います。これをモールの所に差し込み、こじって外します。
  そのとき、金具がボディ側に残っていないか注意。もし残っていたら、ラジオペンチなどで
  引き抜いてモール側に付けておきましょう。これしてないと、後で窓閉めたらモールも仲良
  くせり上がってくるので注意。2番はドアミラーのカバーです。これは楽勝。例のクリップ
  ツールで丁寧にこじるとすぐとれます。3番はねじです。まず、ドアを閉めるノブの中に小
  さなねじがありますから、それをとります。次に、ドアを開放してしゃがむアームレストの
  下に大きめのねじが2本ありますから、それを外します。それから、ドアを開ける引き手に
  一個ねじがあるはずです。これを外します。

  ここからですが、引き手を左にずらすと前に引き出せます。後ろにドア開放用とキーロック
  用の2本の鉄製ロッドがついてますから、例の精密ドライバーで固定しているプラスチック
  を後ろに押してやるととれます。ここで初めて引き手が外れます。そこで、クリップツール
  で全体をこじってやると一枚板になってドアパネルが外れます。
  付け加えますが、防水のシートはゆっくりはがして決して破らないように。(雨漏りの原因に
  なります。自分のGPは左右とも新品に交換しました。タダのビニールなのに結構高い。)
  戻すときもブチルゴム(黒いべたべたやつ)に隙間が出来ないように静かに戻しましょう。
  あとは、今までの手順の逆で組み付けていけば元通り。モールは最後にたたき込みます。
  
  どうですか。ややこしいですけど、手順は守って下さい。これは自分の失敗に基づく、不用
  意に傷をつけなくて済む方法です。


Q.過給音がおかしいのですが。
A.タービンが壊れている可能性もあります。この場合は交換しかありません。(インタークーラ
  ーに至るパイプを外して、オイルがダラダラ出てくればほぼ間違いなし。)
  でなければおそらく、排気ポートのガスケットが抜けています。
  ボンネット開けてスロットルワイヤーを引いた時(もちろん、エンジンかけてです。)凄く排気
  ガス臭くないですか?もしそうなら間違いなし。
  この作業は自分でもできないことないですが、リフトアップの上、マフラーまで外さなくては
  ならないので、ディーラーなどの認証工場に任せることを勧めます。ガスケット本体は100
  0円くらいですが、工賃がちょい高です。でも、自分のヤケドや怪我の心配を考えれば安いでしょう。

Q.インパネの外し方は?
1.チルトを一番下に下げ、ハンドルを外す。(急がば回れ、これが一番確実)

2.エアコンのつまみを全て抜く。

3.※ 3と4はステレオなどの盗難防止のため割愛します。自分でやってみて下さい。

4.  

5.リアデフォッガーとフォグランプのスイッチを外します。そしてコネクタを抜きます。

6.ねじが2個出てきます。これを外し、メーターフード内の2個のねじも外しま
  す。これでフードがとれましたね。

ここからです。大切なのは。

7.エンジンルームに回り、インタークーラーを外します。エンジンに共締めされている
  ボンドケーブル(アースです。これがないとオーディオの雑音倍増。)を10mmの
  ソケットで外し、インタークーラーにつながるホースを外します。スロットル側はホ
  ースごと外して、ターボ側はプラスチックの部分ではずします。出来れば外した後を
  ガムテープでふさいでおくとタービントラブルを防げます。インタークーラー本体は
  12mmのボルト2本で止まってます。ボルト抜いたらI/Cを前へ引く抜く。
  大分すっきりしたでしょう。これもガムテしておくと安心。

8.ここでミッションケースをのぞき込むと、黒いケーブルが1本立ち上がっている
  でしょう。これがSPDケーブルワイヤです。(紫色の2重線が識別符号で入っている
  でしょう。)この根本にかなり大きめのねじがはまっているでしょう。これを外します。
  ウォーターポンププライヤー(口の大きなプライヤー)でないとゆるまないでしょう。
  外れたら、ケーブルをたどると白いプラスチックでクリップされていますから、これ
  を外します。

9.これで初めてメーターを外す準備にかかれます。
  メーターを止めているビス4個を外します。またエンジンに回り、先ほどのケーブルを
  運転席側に少しずつ押し込みます。あら不思議、メーターが浮いて来ます。また運転席
  に戻り、メーター裏に手を回し、コネクタ3個(かなり大きい)とSPDメーターケー
  ブルを外します。ツメを押して引き抜けばとれます。

10.これでメーターが外れました。電球交換、清掃をしましょう。

Q.ミラーを割ってしまいました。安く上げるにはどうしたらいいでしょう。
A.この場合、電動モーターが使えるか確認をします。残っていれば、そこら辺の解体屋か
  タダのカローラ2(EL31型)のミラー購入し(自分で外して2000円位)、それを
  分解します。もし、ミラーの鏡面色が違ってもよく、かつ手動でもかまわないならばその
  まま取り付けてOKです。もし鏡面色を合わせるなら、鏡面だけ部品共販に注文しましょう。
  部品番号 MIRROR OUTER 87931-16350
  作業の実際はミラーの項目をご覧下さい。


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