'2001.04.06 teamEL-R tech online

 

GPTURBO Tech-Online

GPTURBOも立派な10年選手です。故障なんていつでも起こります。
備えあれば憂い無し。こまめにクルマの調子を見てやりましょう。

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修理の実際はここからどうぞ。(始動不良はここから。)

ダイアグノーシスコード表を掲載。(これがないとエラーコードわからないですからね。)

タービンまわり図解。(ターボ関係はこれで確認して下さい。)

整備基準値を掲載。(整備時に参考にして下さい。)

サスペンション関係基礎資料を掲載。(レート表も載せています。)


INDEX

1.電装関係
2.エンジン
3.シャシー
4.内装関係
5.EL31諸元


1.電装関係

(1)バッテリー

バッテリーは標準の34B19Lを積んでいる(ほとんどそんなクルマはないと思うが)
のであれば、今のバッテリがいかれたら迷わず38Bか40Bに換装することを勧める。
(2)で触れる、オルタが発電しなくなった時の補償にもなる。お金に余裕があるなら
ボッシュのSRX程度にすれば鬼に金棒。込み入ったE/G(エンジン)ルームなので熱の
持ち方は半端ではない。冷却には慎重すぎるほどであっていい。
自分がつけている電装品の消費電力を考えあわせてバッテリーを選ぶのが吉。

(2)オルタネータ

10万キロ越えるとかなりきつくなる。少々のことでは発電しなくなることはないし、
メーターインジケータが点灯することもない。だが、明らかに異変は起きる(負荷が大
きくなると、電圧が異常に下がるなど)。要はカーボンブラシがなくなってきてアーマ
チャー(電機子)との接触不良をおこしているだけのことである。つまり、カーボンブラシ
を交換すれば、一件落着になるのである。GPTURBOのオルタネータは旧車ながら、ICレギ
ュレータ一体型なので、わざわざブラシ単体で購入するより、トヨタ部品共販でカーボン
端子をホルダごと購入したほうがお手軽である。
これだと、はんだごてもいらない。ビス2本で取り替え可。以下に部品の紹介をしておく。

オルタネータブラシ(ホルダ付き) PART NO.27370-54450 単価1160円 税込み1218円

買ったらわかることだが、修理書に指示してある通り、絶縁ペイント塗布済みで、且つ絶縁
ゴムもついてくるのでこの方がお買い得だと思う。どうしても、という人はブラシ単体でも売って
くれるそうだ。決してディーラー等に修理を依頼しないように。
オーバーホールでも2万は超えることは確実、新品ともなるとクルマ本体の買い換えを考えた
くなる。簡単な工具(M8ソケットと+ドライバ)で自分で交換可能。難点といえば、オルタネータ
をクルマから外すとき、FFターボ車共通の悩みであるエンジンルームの狭さから手が入りにくく、
ほとんどの作業が下からもぐらないとできないこと。

(3)スタータ(セルモーター)

スタータのOHは税込み¥33200かかります。一般的な対策としてはクルマの下から
セルを取り外し、セルをバラして、アーマチャを磨いて、オルタ同様ブラシをホルダassyで交換し、
マグネットスイッチを交換して元通りに組み付ければOKのはず。
ちなみにGPTURBO用の純正は0.8kwスタータを装着。もっと始動性能にこだわりたい人は寒冷地
仕様の1.0kwリダクションタイプに換装するもの手。ただし、バッテリーを40B以上のクラスにして
おかないと、バッテリがやられますので、ご注意。(そうです、過充電です。水素ガス吹きまくります
よ。) 解体屋で買ってきて純正0.8kwスタータをつけてもよいが、走行距離の多いものは元の木阿
弥になる。


(4)ディストリビューター New

 日本語で言えば「配電器」。高圧コイルで約一万ボルトほどに高められた電気を各シリンダーの
プラグヘ爆発順に振り分ける装置でカムシャフトに直結している部品。故に高温にさらされるため、
カムの出入り付近のゴムシール類やディストリビューター(以後デスビと略す)本体の劣化が原因
でオイル漏れを起こすことがある。10万キロ超えたクルマは要注意の部品。ちなみに私のクルマ
はデスビの軸よりオイル漏れが発生。よって本体交換となったのですが、新品を買ってはコストパ
フォーマンスが悪くなるので、解体パーツを購入。
インターネット通販で5000円くらい。それとこの部品はEP71スターレットターボと部品が共通
なので、(部品番号:日本電装製 229100−3092)GPターボ用がなければそれを一言告げる
のを忘れないように。
交換の手順はこちらの「デスビ交換の実際」よりどうぞ。この部品はエンジン回転になくてはならない
ものなので、侮る事なかれ。

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2.エンジン関係

(1)ウォーターポンプ

だいたい一回はやられる部品。軸受けが固着しかけて水の回りが悪くなるのと、シール不良が
よく出る。異音などの現象がでたら、即交換しましょう。参考までに部品代と工賃を。

部品:ウォーターポンプassy ¥5300  工賃:¥8600 計¥13900(税抜き)

これくらいかかりますが、これをケチれば、ヘッドが歪み、廃車への道をたどります。
当然この部品は新品にすること。

 

(2)ラジエータ周り

LLC(不凍液)の交換は通常は車検ごとで十分。
あとは普段からラジエータリザーバタンクくらいは注意しておこう。(LLCがなければアウト。)
LLCをばかにしていると廃車は近くなる。
エンジンオイルと水(冷却水)は昔からクルマの二大要素なので、なめてかかると痛い目に遭う。
水温計が右に向かって進み出したら、サーモスタットの異常を疑う。まともに水温制御がなされて
いない証拠だ。ここでも参考までに部品代と工賃を。

  部品:ウォーターインレットハウジングガスケットNo.1 310円  サーモスタット 1580円 工賃:3700円
ラジエータキャップもくたびれてきたら交換だ。ヒーターの効きが悪い場合、サーモスタットは最初に
点検すべきところ。イッている可能性が高い。冬に寒くてはたまらない。

(3)マフラーについて

GPTURBOの定番はフジツボ製のレガリスマフラー。
昔はHKSやコブラ管などもあったが、今新品で手に入るのはこれしかない。
レガリスのライフは結構長い。さすがである。
純正は新品から3年が寿命と考えるべき。(タイヤと一緒)

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3.シャシー関係

(1)アライメントはとるべきか。

はっきり言って答えはNO。2回ほどアライメントテスターに乗せたが、高い割にそう実感が湧かな
い。ハンドルがブレるときは確かなウデを持つメカがいて、バランステスタのちゃんとしたものがあるところでしっかりバランスをとってもらおう。それだけで直る。くどいが、ウデのある人にやって
もらうこと。ヘタクソがやると、バランスはとれてないわ、しまいにゃインパクトレンチで無茶苦茶
締めたホイールナットのおかげでホイールが取れなくなってハブナットを折るハメになる。
最後はトルクレンチで締めるのが正解。
パンクしたとき冷えたくなかったら、ホイール脱着作業を横でしっかり見ておこう。
まっすぐ走らないときはディーラーでフロントのトーインを調整してもらおう。(1万円しないはず)
  これでほとんど良くなる。またこれですぐズレる時は、タイロッド(ステアリング操作を左右ホイールに伝えるロッド)の老朽化が考えられる。

アライメントを規定値(下にあるトーインの値のこと)にしても決してまっすぐに走るとは限りません。やっぱりこの辺は経験のあるヒトやショップにやってもらうべきでしょう。間違えてもディーラーは駄目ですよ。「手の施しようがありません」の一言で片づけられてしまいます。すばらしいGPでも一般人にはただのポンコツです。

 

(2)高速走行時の恐ろしいハンドル振動

だいたい120キロ位から発生するこの手の振動(フラッターという)は、ほとんどホイールバランスの
狂いから来るもの。「合わせてもらったのにイ」と口をとがらせている人は「何キロを目標に合わ
せたか」を聞いてみるといい。意外と80キロ位を目標に合わせているはずだ。これじゃ100キロ越える
とブレるのは当たり前。(確かに一般公道ではこれが正解だが) ここは一つ、140キロぐらいを目標
に合わせてもらおう。
それでも直らない時はホイールが社外品の場合、センターハブにハブリングをかませると良い。理由はホイールとハブの接触面積が不足するため、ぐらつきが生じているから。(おわかりですね、ワイドトレッドスペーサーではありませんよ、念のため。)
それでだめなら、タイヤ自体の初期不良の疑いあり。もっと恐ろしいのはアクスルベアリングの緩み。放っておくと、「!」タイヤだけ先を走ってる!ということになるので気をつけよう。ジャッキアップしてホイールが縦方向にグラつくならすぐ締め直してもらおう。

(3)ブレーキパッドについて

純正でも何も問題はありません。ただ、サーキットや峠に行ってみよう!という人やタービ
ン交換などでパワーがあがったという人はプロジェクトミューや曙ブレーキなどの社外の強化品にしないと不満が残るかもしれません。
(4)クラッチについて

知ってる人は知ってるでしょうが、実はGPTURBOのミッションはAE92レビン・トレノと同じC52型が
採用されています。当然、クラッチ板やフライホイールも同形式と思われるのです。で、クラッチ自
体はかなり丈夫なはず。(ゼロヨンする人は別。)

(5)シフトレバー、シンクロについて

(4)で触れたようにクイックシフトはAE92用が流用できる、と思っていたが、どうも無理らしい。
一説によれば、EP71スターレット用の流用が出来るそうである。当然、加工が必要。それなら
いっそのことAE111レビ・トレの6速MTをシフトAssyごと載せるのも良いと思う。(要大改造!!)
シンクロはそう簡単に壊れるものではない。ただ、常日頃から回転をなるべく合わせ
るクセをつけておかないと、無理なシフトチェンジによってシンクロナイザのコーンが吹っ飛んでし
まう。それでなくてもギアはいたわろう。壊れると高いから。(勿論、AT乗りの人には関係ない)
ちなみに、4,5速がスカスカになるのはお約束。特に5速は高速道路なんかでシフトダウンしないで
タービン回すと思いっきり負担かかってギアが暴れるようになります。しまいには抜けるように
なります。MTに優しい運転を心がけましょう。

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4.内装関係

(1)ヘッドライニングが頭の上にかぶさる

「昔の車」ならみんなそうなのでしょうが、GPTURBOもご多分に漏れず、天井はビニールなので、経
年変化でビニールと天井の隙間に空気が入り(接着剤が持たなくなるため)、頭の上にビニール
がかぶさってきます。(ウチのも空気が入りだしました。)では、どうするか。
  1.カッターなどで切り裂いてはがす。(昔のバンはほとんど天井がなかった、みっともないがこれが
  一番早い)

2.解体屋でEL30系の3ドア車から天井を外してきて取り替える。(一番確実だが、サンルーフ
  やキャンバストップ(後期のみ)の有無を確かめることが必要。ただし、修理書をみながら内装
  をはがさないと、とんでもない所を破壊する可能性あり)

3.空気だまりに穴をあけ、そこからボンドなどを注入。(車内がすごいことになるので、止めたほうがいい。)

4.ディーラーに修理を依頼する。(たぶん、乗り続ける気力がなくなる位お金がかかる)

 

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5.EL31諸元

修理書より主要部分を抜粋。

(1)整備基準値

- FRサスペンション -
基準車高空車185/60R14時
・サイドスリップ(1mにつき):3mm以下
・トーイン:0±1
・キャンバ:15'±30'
・キャスタ:0°00'±45'

市販のサイドスリップゲージ(2万円くらい?)で頑張って調整すれば自分でもできる。
しかし、とてつもない努力が必要。

・ブレーキペダル高さ:147〜157(アスファルトシートより)
・クラッチペダル高さ:152〜163 (アスファルトシートより)

- エンジン関係 -
Vリブドベルト張力 (  )内は点検時

・オルタネータVベルト55〜65kg(25〜40kg)
・A/C Vベルトたわみ:55〜65kg(35〜45kg)
・PS Vベルトたわみ:55〜65kg(25〜40kg)
・点火時期(整備端子[T⇔E1]短絡時):BTDC9〜11°(750rpm)
・アイドル回転数:700〜850rpm
・圧縮圧力:基準値 12.0(250rpm時)
限 度 10.0
気筒差  1.0

- 油脂容量 -

・エンジンオイル:全3.4L、フィルタ交換時3.2L、オイルのみ2.9L
指定油脂:キャッスル モータ オイル クリーンターボ(SH)
(注)現在はクリーンターボを探すのは至難の業。よって、ここではクリーンSJ
   を入れる事を勧めます。(SHよりSJの方がグレード高いですし。)
   でも、実はクリーンターボは半化学合成油なんですよね。クリーンSJはただの鉱物油。

オイル交換の際、4L缶を買ったら1L余りますよね。次のオイル交換まで持ち越すと水分混入など
ちょっと心配。そこで、1L缶を3個買えば少し割高ですが、量的にはドンピシャリです。

・ミッションオイル(含むディファレンシャル):2.6L
指定油脂:キャッスル MG ギヤ オイル スペシャル SAE75W-90(GL-3)
・ラジエータ水:5.0L ( キャッスル ロングライフ クーラント)

(2)主要部締結トルク
値は全てKgf-Cm単位です

- ブレーキ -
・FRディスクキャリパ固定ボルト:255
・RRディスクキャリパ固定ボルト:255

- クラッチ -
・クラッチホース:155

- シートベルト -
・ベルト×ボデー:440

- オルタネータVベルト調整 -
・調整ナット:120
・その他ボルト:420

- スタータ -
・取り付けボルト:400

- FRエンジンマウンティング -
・取り付けナット:650

いまのところ、ここまで。

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